今年のアカデミー賞レッドカーペットで、マーゴット・ロビーのドレスはファンを驚かせました。それは、誰もが期待していた”バービー”らしさとは正反対だったからです。

大ヒット映画「バービー」で主演を務めたロビーは、まるで人形としての自分を脱ぎ捨てるかのように、真っ黒なベルサーチのドレスを纏って登場しました。シースルー素材に施されたアーチ状のネックラインと、ギャザーが寄ったミッドセクションが特徴的な、ゴージャスでありながらも反骨精神を感じさせるドレスです。ピンクはどこにも見当たりません。

ロビーは、映画のプロデューサーでもある立場から、このアンチバービーなドレスを纏うことで、単なるファッション以上のメッセージを伝えたのかもしれません。フレッド・ Leighton ジュエリーの太いダイヤモンドのブレスレットとリングが、さらにクールな印象を際立たせます。ヘアスタイルはブロンドのストレートヘアにセンターパートを入れ、メイクはフリンジ状のまつげとベージュのリップでナチュラルに仕上げました。

「バービー」は今夜、作品賞を含む計8部門にノミネートされていますが、ロビー自身と監督のグレタ・ガーウィグは個人部門でのノミネートを逃してしまいました。ロビーはプロデューサーとしてノミネートに残りましたが、共演者のライアン・ゴズリングとアメリカ・フェレーラは、助演男優賞と助演女優賞にノミネートされています。

ロビーはこのノミネート漏れについて、先月開催されたSAG-AFTRAのディスカッションで以下のようにコメントしました。

「恵まれていることを実感しているので、悲しく思う余裕はありません」としながらも、ガーウィグの仕事が認められなかったことは残念だと付け加えました。「彼女はキャリア、人生において一度きりの偉業を成し遂げたのです。彼女の成し遂げたことは、本当に素晴らしいものです。」

ゴズリングも、興行成績を大きく伸ばした作品のキーパーソンである2人がノミネートから外れたことに対し、「がっかりしている」とコメントしました。

「バービーがいないケンはいないし、グレタ・ガーウィグとマーゴット・ロビーがいない『バービー』映画も存在しません。この歴史を作った、世界中で称賛された映画を生み出したのは、彼女たち2人なのです」と彼は声明の中で述べています。「彼女たちの才能、ガッツ、そして才能がなければ、映画に関わった誰もが評価されることはなかったでしょう。彼女たちがそれぞれの部門でノミネートされなかったことにがっかりしているというのは、控えめな表現です。」

今回のロビーのドレス選択は、監督のノミネート漏れに対する彼女なりの抗議なのかもしれません。あるいは、映画「バービー」が提示する、固定観念にとらわれない女性の生き方を体現しているのかもしれません。